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MIDRANGEのトーンコントロール ラジオ技術1969年8月号

AU-777D アンプ

今はトーンコントロールを触ることもないのですが、私は90年代にB&WのCDM1SEを購入するまではBASSもTREBLEも大きく上げて聴くのが好きでした。

1968年頃のビクターのSEAを内蔵したセパレートステレオや、その後に出たサンスイのTTC(トリプルトーンコントロール)のプリメインアンプは当時垂涎のシステムでした。

BASSやTREBLEは今では使うこともないけれど、MIDRANGE(中音域)のコントロールは曲によってはあってもいいなと今でも思っています。

そこでビクターのSEAシステムやサンスイのAU-777Dを探すことになるのですが、これが発売から50年以上経過しているので、程度のいいものはまず出てきません。

10代の頃の記憶を頼りにネットで探していると、ラジオ技術1969年8月号にAU-777Dの回路図が載っていることがわかり、古本を入手できました。

それがこちらです。当時の価格220円となっています。ちなみに表紙のレコードプレーヤーは、テクニクスが世界で初めて開発したダイレクトドライブプレーヤーです。

ラジオ技術1969年8月

ラジオ技術1969年8月

懐かしい広告もご紹介したいのですが、それはまた後日にして早速今回の本題であるAU-777Dの回路図の方に入ります。

こちらが回路図です。当時は回路図の公開は普通に行われていたのですね。

AU-777D

Phonoイコライザー部、TTC部、プリアンプ部、メインアンプ部、電源部ときれいに分けられています。

注目したいのはTTC部です。これが片チャンネル分の回路図です。

AU-777D

S5がミッドレンジのロータリースイッチ、S6がTREBLEのロータリースイッチ、S7がBASSのロータリースイッチです。ざっと見てCR型とNF型の両方を取り入れた回路に見えます。

音質調整はボリュームではなくロータリースイッチに多数の抵抗を取り付けて行っています。これだけでも手の込んだ作りだということがわかります。AU-777Dは当時59,500円の定価でした。

ラジオが15,000円前後、カセットテープレコーダーが20,000円前後だったことを思うとバーゲン価格ですね。

AU-777D

BASS、TREBLEの回路図はいくらでもネットに出てきますが、ミッドレンジの回路図は出てきません。Lを使うらしいことは聞いたように思います。

回路図を見ると800mHのコイルが使われていますね。これが1kHzを中心にコントロールするミッドレンジの要のようです。

800mHのコイルなんて入手は不可能でしょうし、自作するには測定器が必要でしょうから作れる人は限られています。

あわよくば回路図をもとにTTC部だけを作れないかと考えていましたが、あっさりと頓挫しました。

一番現実的なのは、ジャンクのAU-777Dを購入してTTC基盤とロータリースイッチ部を流用することかもしれませんね。

ただ、こういうトーンコントロールを入れると音は劣化するようなので、どういう変化があるかを確かめたいだけなら、中古のビクターSEA-100とかSEA-200を安く購入して確かめて見るのも良さそうです。

SEA-100などは、60Hz、250Hz、1kHz、5kHz、15kHzの5分割なので、確実に音質は劣化するでしょうね。

ちょっと取り留めのない話になって恐縮ですが、中音域のコントロールの回路図のご紹介と、それがどのように聞こえるのかをまず確かめたいので、入手のチャンスがあれば続編を書いていきます。

 

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