口径20cmユニットであるヤマハJA2059とパイオニアPAX-A20。
どちらも非常に魅力的な音楽を再生してくれるユニットです。
ただ、性格がかなり違うので、もっと性格の違いを知りたくて聴き比べを実行してみました。
好みがありますし、老朽化した耳のことですから、必ずしもこれが参考になるとは思っていません。そこはご容赦ください。
JA2059とPAX-A20を比較した感想です。PAX-A20を「★5つ」としたときの比較です。あくまでも独断的なものですので悪しからずご覧ください。
JA2059の高音域はFOSTEX FT40Hなので評価の星は省略しています。
※ 1週間後の6月14日に一部評価を変更しました。
JA2059の中音域 5.0⇒4.8
PAX-A20の中音域 4.8⇒5.0
低音域 | 中音域 | 高音域 | 全体として | |
JA2059 | ★★★★★4.8 低い音域までクリアに出る。重低音はPAXに一歩譲る |
★★★★★4.8 明るく元気でクリアな音。これに尽きる。女性ヴォーカルが良い |
FOSTX FT40Hに負うところが大きいが繊細感があり息遣いもきれいに表現 | 中音域がやや高音寄りなのが気になる。 |
PAX-A20 | ★★★★★5.0 重低音域までクリアに再生する |
★★★★★5.0 乾いた音感が上質。女性ヴォーカルが非常に良い |
★★★★★5.0 マルチセルラーホーンの魅力が大きい。ヴォーカルの息遣いもきれいに表現 |
たかがPAX-A20というなかれ。クセのない音感はHPD315より好ましく思う |
最初の聴き比べの1週間後にもう一度聴き比べました。これは好みですが、ヤマハサウンドは元気が良すぎて、じっくりと聴きたいときにはPAX-A20のほうが好ましく思えました。
私にはPAX-A20の方が合っていると思いました。優劣ではなくこれは本当に好みの問題で、ヤマハサウンドが好きな方には断然JA2059の方が好ましいと思います。
以下は最初の聴き比べの際の感想です。
◆ ヘイリー・ロレンのアルバム「BUTTERFLY BLUE」より「OUR LOVE IS HERE TO SAY」
PAX-A20:重低音はさすがに切れが良い。ヴォーカルはなんとなく軽い気が。
JA2059:ヴォーカルはPAX-A20より厚みが感じられるが、やや高音寄りに感じる。重低音の一番低いところはややエッジが甘くなるが、全体としてはこちらの方が上回っているように思う。
◆ fumikaの「アンマー」、森恵の「逢いたくていま」、ウンサンの「イエスタデイ」、ヘイリー・ロレンの「A WHITER SHADE OF PALE」
PAX-A20:低音はくっきり。JA2059を聴いているせいかヴォーカルがもう少し前に出てきてほしい。くっきり感はJA2059の方が上。
JA2059:ヴォーカルが前面に出てきて聴きやすい。ぎりぎりうるさくない。スネアドラムの音は特に良い。一言でいうと明るい音。これに尽きる。
JA2059はとにかく明るくクリアな方向。PAX-A20はじっくり聞かせる方向に思いました。
PAX-A20は、さすがに低音は素晴らしいです。中音域はそれほどおとなしい音だとは思っていませんでしたが、JA2059に比べるとかなり大人しく感じてしまいます。
それでも聴き込んでいくうちに、PAX-A20にはつい聴き込んでしまうような上質さがあります。くぐもった感じさえしたヴォーカルですが、聴き込むとバランスの取れたいい音に聴こえます。
ヘイリー・ロレンはPAX-A20の方が合っているかも。
それにしても最初は失礼ながら、JA2059はたいしたことないだろうと思っていたのですが、この明るさは素晴らしいメリットです。
特にヴォーカルの魅力は素晴らしい。JA2059は日本のユニットらしく、クラシック、ヴォーカル、ジャズと何でもいけます。
両者は、性格というか方向性がまるで違うユニットですので、優劣ではありません。
その時々の気分でどちらかを選んで聴くのが良いんでしょうね。
PS NS-451のカタログを見つけました。
「ストロングでエネルギッシュな低音」と書かれていますね。低音も売りだったんですね。