パイオニアPAX-A20でジャズやヴォーカルが聴けることはわかりましたが、クラシックはどうでしょうか。
ダイヤトーンのしっとりした音とは若干違い、やや乾いた音がするパイオニア PAX-A20でクラシックはどのように聴こえるのでしょうか。
ソースはこのようなときに便利なのがAmazon Music HDです。
いつもよく聴くアルペジョーネ・ソナタやチェントーネ・ディソナタを聴くと、似たような曲を自動的に探し出してハイレゾ音源で聴かせてくれます。
色々聴いてみました。
ピアノの音色がとても甘く聴こえる。PAX-A20でこんな音が出るんですね。「ユリアンナ・アヴデーエワ J.S.バッハ English Suite No.2」
チェロの低音部の響くような音、高音部の滑らかな音色。甘くなりすぎないところが良い。「J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲」
バイオリンの泣きといえばこの「パガニーニ チェーントーネ・ディ・ソナタ」でしょう。泣きが物足りないということはなく、これはこれで別の表現の仕方ということで楽しめます。
きらびやかなハープシコードの音色が美しい。「J.S.バッハ フランス組曲第1番」
数十曲を約3時間ばかり楽しみました。
パイオニア PAX-A20も意外と万能選手だということが分かりました。
どちらかというとジャズ向きと思っていましたが、クラシックをさらりとこなすところは意外でした。
YoutubeではPAX-A20でクラシックを演奏という動画も見ることができますが、何かしっくり来ませんでした。
ところが実際にこうして聴いてみると、ピアノ、ヴァイオリン、チェロなど、なかなか甘い音色で素晴らしい音を聴かせてくれます。
ピアノの強いタッチも難なくこなしますし、男性の声楽もよくとおる声できれいに聞こえます。
ネットではPAX-A20はドンシャリで中音が抜けているといった感想をよく見ますが、内容は50年前に自作箱に入れて聴いた感想だったりします。
ところが、現代のハイレゾ音源なりで聴くと、とてもいいバランスで鳴っていることにおどろきます。中音が抜けている様子は全くありません。
私としては、P-610よりもPAX-A20のほうが好みかもしれません。
PAX-A16、PAX-A20、PE-16、PE-20といった同時代の似たユニットは、同じ傾向の音色なので、どれで組んでも楽しませてくれるでしょう。
50年前のユニットなので、正常に動作するペアを入手するのは結構難しいですから、比較的入手しやすい単品で「PAX-A20+PAX-A16」とか「PAX-A20+PE-16」でも十分楽しめます。
PEシリーズは音圧がPAX-Aシリーズよりやや小さいので、その点の考慮は必要です。
できればPE-20がほしいところですが、PE-20は一番数が少ないようで、まず出てきません。
最終的には、音色や音圧のそろったPAX-A20を2個、またはPE-20を2個でメインスピーカーにしたいものです。