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パイオニア PAX-A20

PAX-A20 スピーカー

PAXシリーズの中心機種だったPAX-A20。

1970年(昭和45年)ごろのラジオ誌やオーディオ誌には製作記事がよく載っていました。

当時、高校の同級生でPAX-A25でバスレフ箱を作ったというのがいました。標準箱なのでかなり大きかったはず。

でもとうとう聴きに行く機会はなく、PAXの音はわからずじまいでした。このとき聴いていればと今でも残念に思います。

今回、PAX-A20を入手できました。PAXシリーズはウーハーが断線しているものが多いですが、これはちゃんと音が出ています。

パイオニア PAX-A20

なにぶんにも古いものなので、多少の汚れは致し方ありません。パイオニアのユニットは、どれも古くてもエッジが柔らかいですね。

PAX-A20

ホーンの銀色の縁取りも残っているので、長期間のデッドストックだったように思われます。エッジの変形やねじれもありません。

PAX-A20

PAX-A16よりもさらに重いです。重量は2.75kgとなっています。

マルチセルラホーンは6分割
クロスオーバーは5kHz
ホーンは樹脂製で、裏には低域カット用のコンデンサが接着されているのも共通仕様です。

PAX-A20

早速聴いてみました。

PAX-A20を取り付けるには、直径211mmの開口が必要です。

P-610DBやPE-16用に開けた仮設バッフルは開口の直径が145mmなので直径が不足します。

でも仮設バッフルを作るのは面倒だし、とりあえず音を聴いてみたいので、仮設バッフルの裏面から取り付けてみました。

裏面からだと取付部にスペーサーを入れなければなりません。ダイカストフレームなのでスペーサーを入れないでネジ止めすると、取付部が折れてしまうかもしれません。

PAX-A20

取り付けました。見た目は悪いですが、音が気に入るかわからないので仮設で聴いてみます。サランネットをつければほとんどわからなくなります。

PAX-A20

早速聴いてみました。

やはり20cmの低音は一味違うようです。体に響いてきます。

ちょっと出すぎるくらいかも。これは箱との相性もあります。

低音に関してはPAX-A16もなかなかいいですが、PAX-A20の方が輪郭がはっきりして深みがある感じがします。

いつものヘイリー・ロレンから聴き始めました。

女性ヴォーカルがとても良いです。

手嶌葵の「明日への手紙」などでは、ヴォーカルのハスキーな艶めかしさが伝わってきます。

井筒香奈江の「悲しくてやりきれない」や「卒業写真」などはとても素晴らしいと思います。

井筒香奈江

ホーンツイータはやや音圧レベルが高いようにも思いますが、女性ヴォーカルの輪郭のはっきりした声を聴いていると、これでも良いと思ってしまいます。

ピアノもとても良い響きをしています。

耳障りなホーンではありません。

PAXシリーズのホーンツイータは、レベルの高い音だと思います。

こんな良いユニットが50年以上も前に市販されていたんですね。

でも、当時のソースはレコードとFM放送ですから、当時だったらこれほど良いと思ったかはわかりません。

今聞いているソースはAmazon music HDのハイレゾ音源です。

十分にメインスピーカーになります。

問題は、いつまで正常に動作してくれるかでしょうね。

50年以上前のユニットですから。

タンノイ・モニターゴールドやHPDなどのヴィンテージではない普及品のユニットです。

箱入りのまま何十年も放置されていたり、エンクロージャーに取り付けたまま何十年も放置されていたユニットがほとんどと思われます。

本当に良い状態のユニットは、なかなかお目にかかれませんから、断線したり音圧が低下したりしたらそれまでと考えたほうが良さそうです。

代替品としては、ウーハーにPW-A20を使うのもありかもしれませんが、むしろフルレンジのPE-20にホーンツイータをプラスしたらいいんじゃないかと思います。

ホーンツイータはPAX-Aシリーズのものがすごくいいので、そのまま使いたいですし、フォステクスのFT40Hも合います。

PAX-A20やPAX-A16は、できるだけ長く使い続けたいユニットだと思いました。

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