番外編です。
ソニーの3バンドラジオ ザ・イレブン(The 11)は高い人気でした。
発売は昭和46年(1971年)ごろ。FM・AM・SWの3バンドでした。
当時、私はすでにGXワールドボーイ(RF858)を持っていましたが、イレブンの渋い外観に惹かれて買いました。その後は亡き父に譲ってしまいました。
画像は後日入手したICF-1100です。私が最初に購入したのは「ICF-1100D」で、ワイヤレス送信機能がついたものでした。
いまでも根強い人気があります。50年経っても問題なく動作するのはさすがです。
今回はソニー The 11をご紹介します。
とてもシンプルで分かりやすい外観です。左のつまみがボリューム、右のつまみがチューニングです。
BASSとTREBLEが独立したトーンコントロールもマニア好みですね。あまり効きませんでしたけれど楽しかったです。
電源は単2電池3本または付属のACアダプターを使います。DC4.5Vです。出力ジャックは中央がマイナス、周囲がプラスの極性で一般的なものとは逆です。
このACアダプターも入手は難しいです。容量の大きな汎用ACアダプタですと、4.5V出力と書いてあっても実際には6Vぐらい出るので使えません。
このラジオも分解は楽で、背面カバーのそれらしい4本のビスを外せば簡単に開きます。メンテナンス性は抜群です。
基盤はあちこちに散らばっているように見えますが、大きな1枚基盤で中央にスピーカーの四角いアルニコマグネット部が入ります。
非常にゴチャゴチャ感がありますね。IF基盤が中央と上下にバンドごとに3分割されています。フロントエンド部の白く見えるのはアース部でしょうか。ポリバリコンは大型のものを使用しています。
フロントエンド部です。整然としているGXワールドボーイとは対象的にごちゃごちゃしているように見えます。
IF部と低周波増幅部です。出力トランジスタが黒い放熱板に取り付けられています。
トランジスター10石、新開発のIC (集積回路)+FET (電界効果トランジスタ)を用いているとのこと。
このICF-1100シリーズには一つ弱点があって、チューニング機構の内部の樹脂製プーリーが割れて、ダイヤルが動かなくなってしまうことです。
スプリングで糸にテンションを掛けているせいか、同時に周波数表示幕が端まで動いて数字が見えなくなってしまいます。
プーリーが割れて見えなくなった周波数表示
正常なもの
裏蓋を外しただけでは直すことができません。基盤を取り出す必要があります。左端の一番小さなプーリーがよく割れるそうです。次の画像はネット画像をお借りしました。
修理は別の同型機からプーリーを外して使用するしかなさそうです。この機械的故障を除けばラジオの動作は比較的問題なく、いまでも使えます。
左側面の端子
ソニー The 11(ICF-1100)の仕様
価格:15,300円
本体12,500円 ACアダプター1,500円 キャリングケース1,300円
周波数
AM:530kHz〜1605kHz
FM:76MHz〜90MHz
SW:3.9MHz〜12MHz
中間周波
FM:10.7MHz
AMとSW:455kHz
出力:最大2W
端子
TIMER DC OUT
MPX OUT(マルチプレックス アウト:FMステレオ用)
AUX IN
TAPE OUT
イヤフォン
DC IN(ACアダプター)
大きさ
幅210mm×高さ140mm×奥行き60mm
重量:1.2kg
電源:ACアダプターDC4.5V、単2電池3本4.5V
再生音です。チューニングがずれて雑音が出ます。ご容赦を。