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チューナーTRIO KT-8300

TRIO KT-8300 チューナー

TRIO KT-8300

TRIO KT-8300

1978年 トリオ製

バリコン式 FMチューナー

♪FMの時代は

1970年から1985年にかけては、FMチューナーがおそらく最も「いい時代」だったのではないでしょうか。

ソースはレコードかFMしかなく、CDが流通するまで私のステレオでは、FMはレコードよりいい音で鳴っていました。

FM放送をタイマー録音するのが流行って、「エアチェック」という言葉が普通に使われていました。

TRIO(トリオ)は、KENWOODの古い社名だとは知らない世代も多くなったことでしょう。

♪バリコンとPLLシンセ

1980年以降のチューナーは、それまでのバリコンにかわってPLLシンセサイザー方式という、水晶発振子を使って局発を自由自在にかつ極めて正確に発振する方式が主流となり、周波数が直読できるデジタル表示になりました。

中古市場ではPLLではなく、以前のバリコン方式に人気があります。

バリコン方式の方が音がよいといわれていますが、それは受信帯域幅がバリコン方式の方が原理的になだらかに広がっているためと思われます。

PLL方式は帯域幅が鋭い特性になっていて、アマ無線のような多チャンネルでは混信の少ない優れた方式ですが、オーディオ的には周波数の上下が急激にカットされることが音質に影響しているのかもしれません。

主にアメリカ向けには、76~108MHzの間に200局のFM局が存在し、PLL方式は優れたものであったと思われます。

国内のように76~90MHzの広い範囲に、FM局がエリア内に2局~5局程度ではPLLにしなければならない理由は実際、なかったでしょう。

見た目のスマートさ、周波数のデジタル表示、周波数の安定度のよさだけだったのではないでしょうか。もっとも、PLLといってもアナログ方式であることに変わりありませんが。

♪チューナーはTRIO

TRIOのチューナーは当時、国内外を問わず一番人気でした。もともと通信機メーカーだからというのがその理由のようです。

最高級機KT-9900は7連バリコンを使用していて、バリコンの段数が多い=いい音・高級品というイメージがありました。

基本的に受信機の性能としてはそのとおりですが、オーディオとしての音の良さは受信性能とはまた違ったものです。

バリコン方式のパイオニア、テクニクス、ソニー、ヤマハ、デンオンなどの中堅クラス以上の機種も人気があって、いまでも中古市場ではかなりの流通量があります。

TRIO KT-8300

KT-8300

1985年当時、FMチューナーはついに買うことがありませんでした。

チューナーに数万円を投じるのはそれなりの決心が必要で、大きなFMアンテナも建てなければならなかったからです。

現代ならウチではCATVに加入しているので同軸をつなぐだけで聴くことができます。

当機 KT-8300のデータは「オーディオの足跡」という私の好きなホームページに出ています。

当時の価格は63,000円となっています。中古では数千円で入手可能です。

やはり当時の価格で6万円以上のものに人気があります。

中古市場では中級機KT-7700(当時78,000円)は1万5千円程度、高級機 KT-9900(当時20万円)は7万円程度で流通しているようです。

私としてはDENON TU-701(1977年製64,500円)も欲しい機種でした。

♪5連バリコン

当時ですら、実物のバリコンは真空管ラジオか通信機でしか見ることはできませんでした。

トランジスタラジオでは、すでにポリバリコンというキャラメル一粒大の小さなパッケージになっていました。

スーパーヘテロダイン方式では原理的に2連バリコンで用が足ります。一つは同調用、もう一つは局発用です。

一般的にVHF帯ならダブルスーパーヘテロダインなので3連以上になります。

KT-8300の5連バリコン

TRIO KT-8300

 目盛りが浮き上がって見えるスケール。雰囲気があって、なかなかいい感じです。

TRIO KT-8300

左がシグナルメーター  右がセンターメーターです

TRIO KT-8300

TRIO KT-8300

ただ、音は私の予想とは違っていました。

普通のFM放送の音でした。

後日、KENWOOD製のL-02Tの音を聴いたとき愕然としました。L-02Tは素晴らしい音だったのです。

それが、KT-7700の購入につながっていきました。それはまた別の記事で。

♪デジタルとHDD

エアチェックは今も昔も手間のかかるものです。

録音の最初と、リバースの時と、録音終了の時には必ずデッキのところにいなければなりません。

入力レベルあわせにも慣れが必要です。

CDをオープンデッキで録音してみて、おもしろいことに気付きました。

CDから録音したオープンテープは、ミュージックテープに劣らずとてもいい音なのです。

デジタルをD/A変換した音は、オープンテープにアナログ録音することで、テープらしい音になります。

これなら、ミュージックバード(デジタル衛星ラジオ)をHDDにデジタル録音しておいて、あとでゆっくりとオープンテープに録音すれば非常に良いテープができます。

テレビのHDD内蔵デジタルチューナーをうまく活用する方法はないのでしょうか。

CATVでミュージックバードが聴ければ一番良いのですが。

なお、インターネットラジオ(J-WAVEなど)はHDDへのダウンロードができないのが残念。

 

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